ゲームオンが,2016年2月16日にオープンサービスの開始を予定しているMMORPG「ロードス島戦記オンライン」。プレミアムクローズドβテスト(以下,CBT)も好評のうちに終了し,次の展開を待ちわびているプレイヤーも多いのではないだろうか。オープンサービスで追加実装されるコンテンツも公式サイトで発表され,その期待は高まるばかりだ。
今回,オープンサービス開始を前に,新たに実装されるエリアやクラスのほか,上位職「1次クラス」の一部にも触れる機会を得たので,それらのプレイフィールをお届けしたい。
新クラスに加えて,8つの1次クラスが実装。レベル20から転職可能に
新クラスの紹介の前に,ロードス島戦記オンラインにおけるプレイヤーのクラスシステムについて説明しておこう。
本作では,CBTでプレイできたエスカイア,オラクル,マジックユーザー,そしてオープンサービスで新たに加わるローグの4クラスをベースクラスと呼ぶ。ちなみに,キャラクター登録が可能な6スロットのうち,CBTでは開放されているのが2キャラ分しかなかったが,オープンサービスでは3キャラまで作れる予定だ。残りの3スロットは,有料枠として利用されるのかもしれない。
左からCBTでプレイできた「マジックユーザー」「エスカイア」「オラクル」
ベースクラスのレベルが20に到達すると,オープンサービスで実装されるアラニア王国の首都「アラン」の冒険者ギルドで,各ベースクラスのスキルマスターから転職クエストが受けられる。ザクソンやヴァリス王国首都「ロイド」にある冒険者ギルドでは,転職クエストを受けられないので注意しよう。この転職クエストをクリアすれば,晴れて1次クラスに転職できる。
ということで,ベースクラスと1次クラスの関係は以下のとおりだ。
■エスカイア(ベースクラス)
片手剣と盾を操る,騎士見習いの青年。ベースクラスの中ではタンクに相当する職業だが,攻撃スキルも使いこなすためアタッカーとしても活躍できる。攻守のバランスがよく,使いやすいクラスだ。
●パラディン(1次クラス)
パラディンは,防御スキルや敵からヘイト(敵視)を集めるスキルなど,タンクとして特化した能力を持つ。味方を守るために,常に前線で敵の攻撃を受け止めることが役割になるだろう。
●ナイト(1次クラス)
自らに仲間を守ることを課したパラディンとは違い,自由に戦うのがナイトだ。防御系のスキルをすべて捨て,攻撃スキルに特化したアタッカータイプのクラスへと変貌している。
■オラクル(ベースクラス)
マイリーを信仰する神官少女。攻撃力はあまり高くないが,LP(ライフポイント)回復魔法やバフスキルなどのおかげで,ほかのクラスと比較して遜色のない強さを持つ。パーティに1,2人居れば,安心して狩りができるだろう。
●プリースト(1次クラス)
聖職者としての力を進化させ,治癒の力に特化している。パーティ全員のLPをまとめて回復させることもできるので,パーティで強敵に挑むときに居ると,かなり心強い。一方で,物理攻撃力は影を潜めてしまっている。
●モンク(1次クラス)
モンクは,物理的な攻撃力を上げて,神への道を示すというオラクルの1次クラスだ。神官というと,人々を癒す聖職者をイメージしてしまうが,ファンタジーRPGでは割とメイスで殴りかかる意外と固いアタッカーであることも多い。とくに戦の神マイリーを信仰しているとあっては,プリーストよりもこちらが正道のように感じてしまう。
物理攻撃による戦闘力が大幅にアップしており,スキルも攻撃に関わるものが多い。一方,オラクルの各パラメータをアップする「ブレス」や「レイズモラル」といったバフスキルや,LP回復魔法も使うことができる。
■マジックユーザー(ベースクラス)
古代語魔法を操る,遠距離攻撃のエキスパート。離れたところから大ダメージを与えられるが,MPが無くなるとその火力が活かせなくなるので気を付けたい。LPや防御力も低く,またMP管理も欠かせないなど,上級者向けのクラスともいえる。
●ソーサラー(1次クラス)
さらに強力な魔法を手にしたソーサラー。その火力は目を見張る程で,一撃で敵を倒すことも夢ではない。少々使いこなすのが難しいが,回避スキルや転移スキルなどが追加され,防御面も大きく向上している。
●ウォーロック(1次クラス)
日の当たる世界から,復讐への道に足を踏み外したというウォーロック。闇属性の魔法を手に入れただけでなく,相手の弱体化に特化したスキルを多数持っている。
■ローグ(ベースクラス)
4番めのベースクラスとなるローグは,近接戦闘型のダメージディーラーだ。グラスランナーの女性で,弟を捜すためにアレクラスト大陸からロードス島へやってきたのだという。
ちなみにグラスランナーというのは,ロードス島戦記の舞台となる世界で「草原を駆ける者」と呼ばれている妖精族。身長は大人になっても人間の子供と同じぐらいで,ローグとして登場しているこのキャラも,少女っぽく見えるがおそらく大人……なのだろう。ロードス島戦記の小説やリプレイを読んだことのある人ならば,吟遊詩人的な素養を活かしたスキルもあるのではと期待したくなるが,残念ながらないようだ。
両手に持った短剣での素早い攻撃を得意としており,敵を一撃で倒すスキルを持っているほか,攻撃と同時に自らに与ダメージアップなどのバフをかけたり,相手にデバフを与えたりといったこともできる近接タイプのアタッカーだ。
●スカウト(1次クラス)
ローグの正統派上位クラスで,基本は正面からの手数で押し,敵にダメージを積み重ねていくタイプのスタイルだが,デバフや即死攻撃にも長けている。
●シーフ(1次クラス)
スカウトがローグの正統進化とすれば,シーフは自らを強化することに特化した異端のタイプ。特定のスキルを使うことで自らにバフを重ねがけ,一気に大ダメージを与えることを狙う戦法を得意とする。
このように,オープンサービスの段階では,ひとつのベースクラスに対して,上位職となる1次クラスがふたつ用意されている。ちなみに,上記の例で言うと,それぞれ先に紹介した1次クラスは,ベースクラスの正統進化と言えるもので,後者はそこから少し外れた,アナザーやオルタナティブといったイメージの進化となるようだ。転職後はベースクラスには戻せないので,あらかじめどの道に進むのかを考えておこう。
ちなみに,レベル20になっても転職させずに,そのまま育てることも可能だが,ベースクラスのままレベルを上げ続けても,新たなスキルが習得できないので,キャラクターの性能的には早々に頭打ちになるだろう。困難であることは間違いないが,どうしても「ベースクラスが好きだ!」というプレイヤーは,そういった育成を楽しんでみても……いいかもしれない。なお,オープンサービス開始時のレベルキャップは30となっている。
毒を用いてダメージを積み重ねる近接アタッカー「ローグ」
あらためて,新クラス「ローグ」について紹介していこう。
ローグの戦闘スタイルは,前述のとおり短剣を装備して素早い攻撃を繰り出す近接戦闘型だ。一見するとエスカイアに近いが,敵に毒を付与してDoT(Damage over Time/継続ダメージ)を与えることができる。この毒のデバフは5段階まで重ねることができ,それに応じて1回ごとのダメージもアップし,さらに毒状態のときに特定のスキルを使用すると,より高いダメージが与えられる。
同じダメージディーラーとして見た場合,マジックユーザーが魔法で遠距離からの大ダメージを与えるタイプとすれば,ローグは手数と毒によるDoTでダメージを稼ぐタイプと言えるだろう。マジックユーザーと違いそれほどMPに依存しない戦いが可能な点だ。しかし,近接系でありながら,防御が非常に低いというウィークポイントもあるので注意したい。
通常攻撃の回転は速く,ダメージを積み重ねていける。初期装備ながら,筆者がCBTで扱っていた装備の整ったオラクルとほぼ同等ぐらいのダメージを叩き出せていた
敵に毒を付与する手段はふたつ。1つはバフスキルの「ダーク・ブレイド」を使い,通常攻撃に毒付与の効果を持たせて攻撃すること。この状態で攻撃し続け,毒の段階を上げていけば,DoTのダメージ量も増えていく
毒を付与するもうひとつの方法は,チェインリアクションで「ベノムスタブ」を発動させること。多少運は絡むが,MPを消費せずに敵を毒状態にできる
そのほか,ローグらしいスキルとして「シャドウラン」「コンシール」といったスキルも持っている。これらを使用すると「潜伏状態」となり,敵から視認されなくなる。戦闘中であっても敵からのターゲットが切れるので,やられそうになったらこれを使って逃げるのが良さそうだ。また,パーティ全体が敵からの先制攻撃を受けなくなる「サイレントムーブ」というスキルもあり,こちらは探険ダンジョンなどアクティブモンスターのいるエリアで活躍できそうだ。
一瞬で敵の背後に回り込み,潜伏状態になる「シャドウラン」。この状態から「スタブ」という攻撃スキルを使うとダメージがアップする
戦っている最中でも,敵の目から逃れて安全を確保できる「コンシール」。キャラクターが半透明になり,敵から攻撃されなくなるが,移動速度が落ちてしまう。当然だが,この状態で敵を攻撃すると潜伏状態が解除されるので気を付けよう
転職でクラス特性がガラッと変わる! 4つの1次クラスを紹介
今回の試遊では,新クラスのローグに加えて,4つの1次クラス「ナイト」「モンク」「ソーサラー」「シーフ」が体験できたので,それらのプレイフィールも紹介しよう。
●ナイト
エスカイアでは“重鎧”だったパッシブスキルでボーナスが得られる鎧が,“軽鎧”に変化しており,防御力が大きく減じてしまっている。もはやタンクではなく,アタッカーと言い切っても良いだろう。
その代わりに,多彩な攻撃スキルが入手でき,それらを組み合わせて大ダメージを狙っていくプレイスタイルが楽しめる……のだが,その分多くのMPを消費するため,それをどう確保するかが課題となりそうだ。
ほかにも,自身の移動速度や攻撃速度をアップさせたり,攻撃と同時にLPを回復させたりと,攻撃以外のスキルも持ち合わせている。ただ,どれも効果時間が短かったりクールタイムが長かったりと,多用は難しい印象だ。いずれにしても,あまり無理をしないことが大切だろう。
攻撃モーションから盾が消えてしまった。しかし,盾が装備できなくなったわけではないの安心(?)してほしい
突進して攻撃する「オンスロート」や空気の刃を跳ばす「エアスラッシュ」など,離れたところから攻撃できるスキルも持っている。これらで先制して,優位に立ち回りたい
「プリパレーション」というスキルを使用すると防御の構えを取る。この状態で攻撃を受けると即座に反撃するのだが,攻撃されなかった場合は,「スタック」や「ラピッドスラッシュ」など,スラッシュ系スキルの攻撃力がアップするバフが掛かるという面白い特性を持っている
●モンク
モンクは,「スイングダウン」や「アッパーストライク」などの物理攻撃スキルと,それらに対応するチェインスキルの追加で,より戦闘に特化されている。
信仰も捨てたわけではないので,バフスキルの「ブレス」や「レイズモラル」,LP回復スキルの「キュアウーンズ」も使用可能。CBTのオラクルとほぼ変わらない感覚でプレイできるはずだ。また,パッシブスキルでボーナスが得られる鎧が“重鎧”になるため防御も固く,より万能性が増しているような印象だ。パーティプレイでは,アタッカー,バッファー,サブタンク,サブヒーラーなど,どの役割でもこなせるだろう。
自己バフやLP回復スキルなど,継戦能力は折り紙付き。攻撃力も大幅にアップしており,扱いやすさならばトップクラスではないだろうか
敵にキックをぶちかます「スイフトキック」や,メイスを振り下ろす「スイングダウン」など,神官職でありながら物騒なスキルが並ぶモンク。さらに,この2つのスキルにはクリティカル率がアップする効果もある。モンクのスキル解説には,いかにマイリー神の忠実な僕であるかを説明したものが多い。敬虔なマイリー信徒(?)には,一読をお勧めしたい
パーティメンバー全員の戦闘パラメータが大幅にアップする「バトルソング」はモンクが習得する。原作でも,ここぞというときに大活躍のソング系スキルだが,詠唱者が動くと中断されてしまう。また,使用中は継続的にMPが16ずつ減るという大きなリスクも。タイミングを見計らって使いたいところだ。なお,歌を中断しても,10秒ぐらいは効果が残るので,それをうまく有効活用しよう
●ソーサラー
習得できる魔法は,マジックユーザーが使うものの上位版といったところで,威力が上がっている。加えて,敵からのヘイトを減らす「センスレス」というスキルも習得できる。これでタンクからヘイトを奪う場面も減らせるだろう。敵を眠らせる「ディープ・スリープ」や,周囲の敵を一か所に集める「ハリケーン」といったスキルも習得できるので,とくにアクティブモンスターが出現するエリアでは,攻撃だけでなく敵のクラウドコントロール(群集操作)にも期待できそうだ。
火力が大幅に増えたとはいえ,防御力はやはり低い。遠距離から高火力のスキルで,一気に倒すような戦い方をしよう
攻撃スキルの中で主力となりそうなのが,「エネルギー・ジャベリン」。スキルをセットしたキーを押し続けると魔法が最大4段階までチャージされ,その段階によってダメージが増加する。チャージしても消費MPは変わらないので,この魔法で先制して大ダメージを与えたい
緊急回避用のスキルとして,カーソル位置へ一瞬でワープする「ブリンク」というスキルがある。これを使えば,戦闘中にピンチに陥っても,すぐに脱出可能だ。個人的にはそれ以上に,街での移動に大いに役立った
●シーフ
ベースクラスであるローグは敵にデバフを与えることで有利に戦うのだが,シーフは特定のスキルで敵を攻撃すると,自身にバフが掛かるという特性を持っている。
例えば,「マローダー」という攻撃スキルを使うと,自身に「アディション」というバフが掛かり,攻撃した際に追加でダメージが加わるようになる。ほかにもさまざまなバフ効果があるが,これらのバフはそれぞれ5段階まで重ねることができ,その状態で特定のスキルを使用すると,より大きな効果が得られる。
スキルを組み合わせてバフを重ね,さらにスキルで大ダメージを与えるというのがシーフの戦闘スタイルになりそうだが,一方で,スキルを多用するためMP不足になりがちになることも多かった。スキルとそれによって得られるバフ,そして消費MPを考えながら戦う必要がありそうだ。
スキルによって付与されるバフは,追加ダメージを与えるアディション,スタミナを減らすフェイタルウーンド,敵に出血毒を付加するブリードの3種類となる。スタミナはプレイヤーキャラや敵のLPバーの下にある黄色いバーで,これが0になるとグロッキー状態となり,一定時間無防備になる。容易に敵をグロッキー状態にできるフェイタルウーンドが,狩りでは使い勝手がよさそうだった
チェインリアクションの発動確率も高めで,これだけでも簡単にダメージが与えられて気持ちが良い。攻撃スキルを使用すると発動率がさらにアップするチェインリアクションなどもあるので,うまく織り交ぜていくといい
「スローイングダガー」で遠距離から攻撃し,近寄ってきた敵を通常攻撃やチェインリアクションでしとめるコンボが使いやすかった
小説第1巻「灰色の魔女」の舞台となるフィールドを紹介。帰らずの森からヴァリス王国,カーラの館に行ってみた
オープンサービスでは,小説第1巻「灰色の魔女」の舞台となっている土地や街などがすべて実装される。ここでは,CBTの拠点だったザクソンの村から,カーラの館まで,その途中にある小説でもお馴染みの土地や街などを,SSを交えて紹介しよう。
●アラニア王国首都 アラン
きれいに区画が整理された石造りの街で,ザクソンとは違った都会的,文化的な雰囲気がある。街の北部には多くの魔術師を輩出した「賢者の学院」があるが,いまでは廃れてしまっている。
●帰らずの森
ロードス島南東部に広がる森林地帯で,ハイエルフが暮らしている。ディードリットの故郷でもある。足を踏み入れてみると,思ったよりも暗く,ハイエルフが住んでいそうな雰囲気はあまりしない。ゲーム中では,この森で迷って出られなくなる,ということはないようなので,安心して通り抜けよう。
●ヴァリス王国首都 ロイド
アランと同様に石造りで文化的な大都市。そこかしこに神官戦士や聖騎士がいるところは,さすが至高神ファリスのお膝元といったところだ。城内に入ると,ヴァリス王ファーンと謁見することもできる。
●カーラの館
その名もズバリすぎて面食らうが,パーン達を待ち受けるカーラの隠れ家。邸内の敵はすべてアクティブモンスターなので,訪れるならしっかりと準備を整えてからの方がよさそうだ。
これらのエリアは,とくに制限なく進めるのだが,できればシナリオに沿ってじっくりと進んでみたいものだ。ザクソンではパーン達の旅立ちを見れたが,当然,アランの街ではファンが待ち望んだディードリットとの出会いを体験できる。
ならず者に囲まれたディードリットを助けるパーン。その後,ディードリットに食事に誘われるパーンだが,女性に慣れていない彼の姿が見られる
先行プレイの最後に,ロードス島戦記オンラインに登場するNPCのサンプルボイスを聞かせてもらえた。ボイスはシナリオのときにしゃべるだけでなく,イベントバトル時の魔法詠唱などで聞くこともできるそうだ。
個人的な印象としては,スレインやギム,ウッドチャックなど,おっさん系の声はとくにぴったりで,どのキャラも概ねしっくりとくるボイスだったように思う。ディードリットはもう少し声にツン要素があっても……と思ったのだが,実際にゲーム内でボイスを聞くと印象も変わるかもしれない。
もっともボイスについては,それぞれ聞き手の主観で大きく印象が変わるので,自身の耳で確認してほしいところだ。ゲーム中のチャットルームで,各キャラクターの声優について語り合ってみるのも楽しいかもしれない。
小ネタだが,ALT+Hキーで画面内のステータスやメニュー,チャットウィンドウなどを消すことができる
ロードス島戦記オンライン RMT